2011年6月13日月曜日

以前、トレーラーがひっくり返ったことを書きましたが……

どうもです。
以前書いてほったらかしていた「トレーラーがなぜ、ひっくり返ったのか?」について、気晴らしに書いておきますね。

まず、どのようなトレーラーだったのか? それがコレ↓


6メートルの鋼材を運ぶために、このようなトレーラーを製作しました。
ベースは市販のボートトレーラーで、他社の製品です。
で、なぜ、このようなカタチになったかというと、それは車両法が関係します。

ちなみにAIR@FLYERの問い合わせで「牽引免許は必要ですか?」とよく聞かれるのですが、
引っ張るクルマとトレーラーを足した全長が11メートル以下であれば、必要ないんですね。
ですから、クルマが6mのアメ車でも軽自動車のサイズは最大で3.4mですから、ほとんどの場合、AIR@FLYERを引っ張るのに牽引免許は、いらないってことになります。
ですが、6メートルの鋼材をトレーラーに積んで運ぶとなると、ちょっと問題があります。
そもそもトレーラー自体が3.4mしかありませんから、一番前まで使っても、鋼材の後端が2.6mも飛び出してしまうのです。
ま、車両法的には、車両全長の10%までは飛び出してもOKってことになってるんですが、たったの34cmでは、収まりませんよね。

そこで閃いたわけですよ「もっと前に載せればイイじゃん!」と……。
で、ちゃちゃいと作った鋼材運搬用ステーが、上の図のようなものなのです。
一応、坂道や段差を越えるときに屈折する角度を運搬ルートを想定した上で計算して、それで高さ等を割り出したんですがね……。

ま、横の図で見る限りは、それほど危険なものには見えないでしょ、今のところ……。
実際、AIR@FLYER2台分くらいの鋼材であれば、それほど問題はないんですけどね。
ところがあの日、やっちゃったワケです。

で、その原理はこんな感じ↓


興味の無い人には、どうでもイイ話ではあるんですが、一応、説明しておきましょう。
上の図における、ミドリとピンクで色分けされている棒が鋼材です。
色分けされたところが、ヒッチボールがある支点です。
側面図にある赤丸は、ミドリ部分とピンク部分の大まかな重心高です。
で、後面図で見れば分かる通り、そもそもピンク部だけでも重心が高いことが分かります。
実はこの時点で、車両法で定められている「安全傾斜角」は担保されていないと思います。
トレーラーそのものは、この「安全傾斜角」が規定値以上でなければ車検に通りませんから大丈夫なんですが、積載のために製作したステーによって、この車両における定義が壊れています。
ただ、おそらくはピンク部分だけが乗っているのであれば、よっぽどスピードを出していない限りは倒れないと思います。なんせ、200kgほどのジェットスキーを載せるものですから、見ためからしても重さからしても、たぶん大丈夫なのです。

なのにナゼ倒れたか?
それは下の上面図でわかります。

上のタイヤからヒッチボールに引かれた赤い線、これがポイントなんです。
左が進行方向だとすると、左に曲がろうとしたときは、ここが進行軸になるわけです。
極端に言えば、外側のタイヤとヒッチボールの2ヶ所で走ってるのと同じになります。
ですので、この赤線より下側の荷重が軸の内側の荷重で、ミドリ部分を含んだグレーのところが軸の外側の荷重ということになります。
そこで上面図のミドリ部分とピンク部分の長さを比較すると、ピンク部分の方が多いので、軸の内側の方が重たいので安定するように思えます。
ところが、側面図における赤玉の位置を確認すると、ミドリ部分の高さはピンク部分に対して、1.5倍ほどあることに気がつきます。
ということは、タイヤの接地点を支点とし、赤丸部分をそれぞれ力点として考えると、ミドリ部分の方が大きなチカラを入力することがわかります。そう、テコの原理です。
ですので、左に曲がることで右側にGが加わると、ミドリ部分がピンク部分より少なくても、テコの原理で動的アネルギーが大きく加わることが分かると思います。
ということは、ある速度域を越えれば、進行軸の外側に大きなエネルギーが加わるため、内輪を上げてひっくり返ることがイメージできますよね。

実際、静止状態では全く問題はなく、多少のカーブでも15キロくらいなら問題はなかったのですが、それで調子にのった私は、うっかり25キロくらいで交差点を曲がったわけです。
で、その瞬間、まるでスローモーションのようにひっくり返ったのであります。
その後はもちろん、3倍速で事態の収拾に動き回りましたけどね……。

ちなみにAIR@FLYERは、ホイールベースを短く設定しているので、転び難い設計になっています。でも、荷物は少なめで低く積むのが基本です……。

てなわけで、ではでは。

0 件のコメント:

コメントを投稿